リサイタル2010(東京、大阪、京都)の曲目解説
12月の東京、大阪、京都のリサイタルが近づいてきました。ここのところは準備や雑用など頑張っております。
以下、ご案内の他、プログラムに掲載予定の解説文をアップさせて頂きます。
2010年12月4日(土)
國松竜次ギターリサイタル
会場:オペラシティ近江楽堂(東京)
(京王新線「初台駅」東口より徒歩1分)
開演:19:00(18:30開場)
チケット:前売\3000、当日\3500
Tel:03-5353-6937(近江楽堂)
0774-45-4645(パシオンムジカル)
Mail予約:pasionmusical@hotmail.co.jp
チケットぴあ:0570-02-9999 Pコード:111-134
ローソンチケット:0570-084-003 Lコード:38319
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2010年12月7日(火)
國松竜次ギターリサイタル
会場:ザ・フェニックスホール(大阪)
(「梅田駅」「淀屋橋駅」より徒歩8分)
開演:19:00(18:30開場)
チケット:前売\3000、当日\3500
Tel:06-6363-7999(ザ・フェニックスホール)
0774-45-4645(パシオンムジカル)
Mail予約:pasionmusical@hotmail.co.jp
チケットぴあ:0570-02-9999 Pコード:111-134
ローソンチケット:0570-084-005 Lコード:56308
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2010年12月12日(日)
國松竜次ギターリサイタル
会場:青山音楽記念館バロックザール(京都)
(財)青山財団助成公演
(阪急嵐山線「上桂駅」より徒歩5分)
開演:14:30(14:00開場)
チケット:前売\3000、当日\3500
Tel:075-393-0011(バロックザール)
0774-45-4645(パシオンムジカル)
Mail予約:pasionmusical@hotmail.co.jp
チケットぴあ:0570-02-9999 Pコード:111-134
ローソンチケット:0570-084-005 Lコード:56308
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◇プログラム
禁じられた遊び~イントロ付 (作者不詳)
アランブラの想い出 (F.タレガ)
アストゥリアス (I.アルベニス)
聖母の御子 (M.リョベート)
クリスマスの夜 (M.リョベート)
パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏 (S.ラフマニノフ)
オブリビオン (A.ピアソラ)
エスクアロ (A.ピアソラ)
嘆き、またはマハとうぐいす (E.グラナドス)
浜辺の歌 (成田為三)
あの町この町 (中山晋平)
椰子の実 (大中寅二)
羅城門 (國松竜次)
オリエンタルワルツ Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ (國松竜次)
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◇曲目について
・禁じられた遊び (作者不詳)
1952年に公開された映画「禁じられた遊び」のテーマ音楽として使用され、世界的にギターブームを巻き起こしました。作者ははっきりしませんが、20世紀初頭スペインのギター教師、A.ルビラという人物によるアルペジオ練習曲だとも言われています。
・アランブラの想い出 (F.タレガ)
ギター曲としては最も有名なものの1つ。作曲者がグラナダにあるアルハンブラ宮殿を訪れた際にインスピレーションを得て書き上げました。終始トレモロで旋律が流れていきますが、この宮殿の噴水の絶え間ない水の流れを模していると言われています。前半のイ短調は、今となっては荒廃したこの宮殿の、最も栄えた時代へ想いを馳せる部分、後半のイ長調は、緑と噴水の豊富なアラビア人の考える楽園を現実化したヘネラリーフェの庭園を表現しているのではないかと想像します。
・アストゥリアス (I.アルベニス)
タイトルはスペイン北西部の州で、組曲「旅の想い出」の中の「前奏曲」として書かれています。元はピアノ曲ですが、ユニゾンを使用した音遣いや掻き鳴らしの部分など、特にギター的な性格を持った1曲。
・聖母の御子、クリスマスの夜 (M.リョベート)
20世紀初頭に世界一のギタリストと言われたリョベートによってギターソロのために編曲された、スペイン、カタルーニャ地方に歌い継がれる民謡です。「聖母の御子」は、マリアとその子キリストにやさしく語りかける内容。「クリスマスの歌」は、キリストへの祝福や喜びの気持ちがひたすら歌われていきます。2曲ともに、今でもクリスマスキャロルとして歌われています。
・パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏 (S.ラフマニノフ)
20世紀ロシアを代表する作曲家の一人、ラフマニノフによるピアノとオーケストラの為の音楽ですが、その中から第18変奏を演奏します。パガニーニによる有名な「カプリス第24番」の旋律をテーマに使用していますが、この変奏はテーマを反行させているために長調となっており、とりわけ美しく、この作品中のハイライトになっています。徐々に高揚して行く様を、ギターでは3オクターブに渡って上昇させることによって表現しています。
・オブリビオン、エスクアロ (A.ピアソラ)
アルゼンチンタンゴの革命者ピアソラは、ギターの為に残した作品はごくわずかですが、理屈抜きに人を魅了するその音楽は、ここ数年ギターの世界でも編曲作品として定着してきた感があります。「オブリビオン」は「エンリコ4世」というフランス映画のために書かれました。メロディーラインの美しさにより、今では色々な楽器で広く演奏されています。「エスクアロ(鮫)」は鮫釣りが趣味であったピアソラの、その模様を描写したかのような音楽です。元は自身の5重奏団のための作品ですが、今回のギターソロへの編曲は大変テクニカルなものに仕上がっています。
・嘆き、またはマハとうぐいす (E.グラナドス)
ピアノ組曲「ゴイェスカス」の中の1曲。後に作曲者自身の手によりオペラ作品として編曲されています。「嘆き、またはマハとうぐいす」の大変美しく、葛藤に溢れたような揺れ動く旋律は、恋人への激しい嫉妬心が表現されており、曲の終わり部分はやってきた小鳥に身の上話をする情景が表現されています。音数の多いピアノ曲をギター1本に押し込んでいる為、難曲に仕上がっています。
・浜辺の歌、あの町この町、椰子の実 (成田為三、中山晋平、大中寅二)
ギターソロのために編曲された3つの日本の童謡ですが、比較的シンプルな音遣いで、それぞれの旋律が音域を変え、調性やリズムを変え、時にはハーモニクス(倍音奏法)を使用して歌われます。
・羅城門 (國松竜次)
今回初演になる「羅城門」は、2002年にフルート、ヴィオラ、ギターのためのアンサンブル曲として書いたものですが、ギターソロへ編曲されたバージョンを演奏します。平安時代の鬼退治のストーリーに基づいており、鬼との遭遇、鬼の腕を切り落とす場面、その後腕を取り返しにやってくる場面などが描写されています。
・オリエンタルワルツ Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ (國松竜次)
6弦をドに、5弦をソに下げて演奏されます。3曲ともに東洋的な音階を基本に構成され、その中にメランコリックな旋律が顔を覗かせます。第1楽章は哀愁を帯びたメロディーが歌われるロンド形式。第2楽章はイントロの後、リズミカルな主部を経て、中間部にゆったりとしたロマンチックなワルツが現われる3部形式。第3楽章はイントロ後、ワルツというには急速なテンポ設定のロンド形式で、時折1、2楽章が回想されます。
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というわけで、以上解説文でした。よろしければ是非ご来場下さい!
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