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2006年11月の4件の記事

2006/11/24

ルティエール発表会

ルティエール芸術音楽学校の生徒達によるコンサートを聴きました。これは発表会のような形で毎月行われています。

趣味でギターを学ぶ年配の方から、プロ志望の若いギタリストまで合計6名が演奏。

みなさんのギターに取り組む一生懸命さが伝わってくるような熱気のあるコンサートでした。

友人である2人の日本人ギタリスト、栗田和樹君と大島直君も出演。

栗田君は今年9月から本格的に留学し、この短期間の間に着実にギターとものまねの腕前を上げています。

アルベニスのカディスをテンポルバートやダイナミックスの変化も細やかに音楽的な演奏を聴かせてくれました。

大島君は、留学2年目でこちらでのキャリアも着実に積み重ねています。確かなテクニックと音楽性でバリオスのワルツ第3番とジュリアーニのスペインのフォリアによる変奏曲を演奏しました。

Audicion01

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2006/11/11

メキシコ料理

友人のメキシコ人ギタリスト、ロドリゴ・ネフタリ君の家に友人数人で遊びに行きました。

この日は彼と彼の奥さんとで朝から仕込んだというメキシコ料理を僕たちにご馳走してくれました。メキシコの香辛料たっぷりのソースで煮込んだ煮物、トマトやとうもろこしをまぶしたご飯など、どこか、アンデスとかインカ文明(メキシコじゃないですが)みたいな中南米の雰囲気を醸し出しています。

やっぱり料理というものには、こうやってその土地の文化が凝縮されているのですね。

その後、ロドリゴ君のギターと、昔ソプラノを学んでいたという奥さんの歌とで、たくさんのメキシコ民謡を聴かせてくれました。

僕たちギタリストには馴染みの深いメキシコの作曲家M・M・ポンセがギターソロの為に編んだメキシコ民謡も、オリジナルの歌を聴かせてもらったときは不思議に別な一面を見せられたような感覚で、何か内から理解できるような気がします。

それにしてもメキシコの旋律というのはとても美しい!

お返しに僕たちも日本の歌をいくつか披露したのでした。

Rodrigo

メキシコや日本の文化などについて話し込んだり、色々な写真を見せてくれたり、とても楽しい時間を過ごしました。

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2006/11/08

バルセロナ国際ギターコンクール優勝者コンサート

Ateneu Barcelonesというホールにて、バルセロナ国際ギターコンクール優勝者コンサートが行われ演奏しました。

会場は建設されてから100年以上の古い建物で、かつてはエンリケ・グラナドスもピアノ独奏会を行ったことがあるという伝統のある場所。

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プログラムは、

鐘の鳴るキューバの風景(L・ブローウェル)
マリエータ、グランド・ワルツ(F・タレガ)
エル・メストレ、レスプエスタ(M・リョベート)
Oh Guitarra(M・A・チェルビート) - 以上ギターソロ
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フーガと神秘(A・ピアソラ) - オーケストラのみ
水の協奏曲(T・マルコ) - ギターとオーケストラ

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リハーサル風景

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プログラム前半に弾いたOh Guitarraはコンサートという形では初演になり、会場に聴きに来て下さった作曲者のM・A・チェルビート氏には演奏終了後舞台に上がって頂き、盛大な拍手が送られていました。

プログラム後半には、コンクール本選でも演奏したトマス・マルコの水の協奏曲をパブロ・ゴンサレス指揮によるカタルーニャ・イベロアメリカーナ室内オーケストラとの共演で演奏しました。

コンクールの時とは違い、リラックスして気持ち良く、またどこか懐かしい気持ちになりながら演奏していました。

たくさんのお客さんに来て頂き、どうもありがとうございました。

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2006/11/06

第3回バルセロナ国際ギターコンクール

10月31日から11月5日にかけて行われた、第3回バルセロナ国際ギターコンクール“ミゲル・リョベート”(III CERTAMEN INTERNACIONAL DE GUITARRA DE BARCELONA "MIQUEL LLOBET")に優勝することができました。

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賞は5000ユーロ(約75万円)の他、Fiori Musicaliというバルセロナのレコード会社とのCD製作の契約、スイスやオーストリアなどのフェスティバルへの客演の契約など。そしてまた、今後国際的な演奏活動のマネージメントもしてくれるのです。

コンクールは11月2日に始まり、1次予選の課題曲は、

Respuesta (M・Llobet)
Oh  Guitarra (M・A・Cherubito)

2次予選は、

Soliloqui Ⅳ (J・Homs)
Homenaje a la tumba de Claude Debussy (M・de・Falla)

というもので、この2つの予選を通過した本選出場者は、アレン・ガラジッチ (ボスニアヘルツェゴビナ)、マウリシオ・カラスコ (チリ)、そして僕、國松竜次の3名です。

アレンはマドリッドのクリスティーナ皇女国際ギターコンクールの2004年の優勝者、マウリシオもヨーロッパのいくつかの主要コンクールに入賞しています。

そして5日L'Auditoriの室内楽ホールにて本選会が行われ、課題曲はConcierto del Agua (T・Marco)、もしくはMoforibale a Oshun (W・Dominguez)の2つの協奏曲の中から1曲を選択。パブロ・ゴンサレス指揮によるカタルーニャ・イベロアメリカーナ室内オーケストラとの共演で、僕とアレンはConcierto del Aguaを、マウリシオはMoforibale a Oshunを演奏しました。

その結果、1位/國松竜次、2位/マウリシオ・カラスコ、3位/アレン・ガラジッチという結果になりました。

このコンクールは、CIGBCN“Miquel Llobet”とIberamerik Concertの共催によって行われ、この間コンサートや講義、展示会など10を超えるイベントも催される、大変規模の大きなギターフェスティバルです。

予選会場となった、バルセロナ市立音楽院内ホール、本選会場となったL'Auditoriの室内楽ホール共に素晴らしい音響を持ち、こういった会場選びを始め行き届いたオルガナイズ、各イベントの質の高さ、どれを取ってもこのフェスティバルが世界でも有数のものであることを感じさせます。

また感動的な一場面として、5日のコンクール最終日の午前、僕たち本選出場者がオーケストラとのリハーサルを繰り返している間、主催者や審査員の方々数名は、フェスティバルが最終日を迎えたことの報告とお祈りのため、バルセロナにあるというミゲル・リョベートのお墓参りをし、そしてそれぞれが墓前でギター演奏をしたそうです。

主催者のこのフェスティバルへの思い入れ、またバルセロナに生まれ育ち、バルセロナを拠点に世界的な活躍をしたミゲル・リョベートという歴史的マエストロに対しての深い畏敬の念が感じられます。

このようなレベルの高いフェスティバルが今後、第10回、第20回、第30回…と続いて行ってくれることを心から祈るばかりです。

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審査員のファン・フリオ氏とカルレス・トレパット氏

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ちなみに、かつて「コンクール荒らしの帝王」と呼ばれたゾーラン・ドュキッチ氏から「おめでとう!」と熱い抱擁を受けたときは、正直うれしかったです。

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