ペペ・ロメロ
カタルーニャ音楽堂で行われた今年のバルセロナギターフェスティバルの最終コンサートを聴きました。
チャビエ・プイ指揮による オーケストラ・シンフォニエッタ・ポルタ・フェラーダの共演で、ギターの鈴木一郎、ペペ・ロメロの両氏がそれぞれコンチェルトのソリストを勤め、またオケのみでベートーヴェンの交響曲第1番も演奏されました。
このオケは大変素晴らしく、拍手喝采の完璧なアンサンブルでした。特にベートーヴェンでは、会場が響きの渦に巻き込まれるような圧倒的な演奏で、この作品の卓越したオーケストレーションがひしひしと感じられました。
前半はもう1つ、鈴木さんをソリストに「6つの歌と踊り」が演奏されましたが、これはカタルーニャの作曲家F・モンポウのピアノ曲を平吉毅州さんがギターと弦楽のために編んだもの。
後半はペペ・ロメロがソロで、入り江のざわめき、アストゥリアス(アルベニス)、そして再びオーケストラが登場し、アランフェス協奏曲(ロドリーゴ)というプログラムでした。
ペペの表現はこれでもかというぐらいスペイン臭さどっぷり。
彼はフラメンコも弾くので、それがクラシック作品にも抜けきらないのかも知れませんが、それが良くも悪くも個性となっているのだと思います。
アランフェス協奏曲も堅実なテクニックで手馴れた演奏。大変盛り上がりました。
ちょっと些細なことですが、このオーケストラのコントラバス奏者が目を引きました。
音楽の躍動に合わせて踊っているような感じの演奏姿で、自分のパートが休みの所は片手に刀を携えたサムライのよう。
自然に音楽を感じて、それが自然に演奏中の姿に現れるというのは、見ている方からしてもとても気持ちのいいものです。
| 固定リンク