勘違い
これは僕のお気に入りの一枚、ブラジルのギターデュオ、アサド兄弟の「タンゴ組曲」です。
今から10年以上前、このCDに収められたピアソラのタンゴ組曲を初めて耳にしたときはかなりの衝撃で、思わず「なんだこいつらは!」と心の中で叫んでました(笑)。それぐらい、うまかった…(涙)。
ところで、どちらがセルジオで、どちらがオダイルかご存知ですか?
正解は、左が兄セルジオで、右が弟オダイルなのですが、彼らが現れてから本当につい最近まで、なので10年以上僕は勘違いしていました…(汗)。
セルジオをオダイルだと思っていて、オダイルをセルジオだと思っていました(笑)。
間違えたきっかけは覚えていませんが、とにかく僕は長い間、勘違いをしたまま彼らのファンでした。
でも、どちらかというとセルジオ(と思っていた方)がすごいと思っていたかもしれません。
だって、作曲・編曲を手がけているのは常にセルジオだったし(これは真実)、コンサートでも華があるのはセルジオ(と思っていた方、実際はオダイル)で、彼は聴衆をひきつけるような演奏をして、演奏後は自分の演奏に酔いしれながら自分で拍手しているような、そんなカリスマ性をもった人だった(と、勘違いしていた)のです。
作曲・編曲が素晴らしく上手くて、演奏も素晴らしい。アサド兄弟はセルジオの方がかっこいい!!!と、思っていました。
うすうす間違いに気づいたのはスペインにやって来てから。
CDショップでアサドの新譜発見!…と思いきや、オダイルのソロCDでした。でもなぜかジャケットにはセルジオが一人でギターを弾いている…(まだ気づかない)。
店員に「これはセルジオじゃないのか?」と聞いたのですが、「いや、そんなの知らん」と言われ(笑)、とにかく普通だったらそのCDで「あぁ、こっちがオダイルだったのかぁ~!」と気づくはずなのに、自分の間違いを認めたくなかったのかバカだったのか、真剣に、
「これはオダイルのソロCDだけど、ジャケットにはセルジオが写ってるんだ~」
と、超勘違い(汗)。
しかしその後、ついに間違い発覚。
ある楽譜(セルジオの作曲)に、オダイルだと思っていた方の写真が載っていて、名前は「セルジオ」となっていたので…
「………ん???(汗)」
まぁそんな感じで気づいたわけです(笑)。
でも、それまでずっとどっちがどっちかきちんと書いてくれたものを見たことがなかったので、かなりショックでした…(泣)
自分が尊敬していた、作曲も編曲も演奏もうまい、パーフェクトなセルジオはどこだ!?みたいな(笑)。
結局、二人のうちお兄さんのセルジオは作曲・編曲の才能に長け、演奏会では裏方的な演奏で弟オダイルの華のある素晴らしい演奏を支えるというような感じだったのですね。
なので、やっぱり僕からしたらどちらも尊敬できる本当に素晴らしく息の合った兄弟です。
そんな感じで、長い間色々ありました。本当に大好きなギタリストですが、長年勘違いしていたトラウマが抜けません(汗)。
ちなみに、いつかのコンサートで聞いたセルジオ編曲のドビュッシー「ベルガマスク組曲」は本当に美しく、ピアノで聞くそれよりもキラキラと輝いていて、それを聞いたときの感動は忘れられません。
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